銀行で借入をしたいけど、どんなことを聞かれるのかな・・・
銀行の面接では会社の経営状況を確認されることはもちろん、社長自身の考え方や人柄も見られています。大手の金融機関に勤める僕が、「こういうお客様は融資を通しやすいな!」と思う特徴を紹介しますね。
銀行の担当者との面接って緊張すると思います。尋問をされるような気持ちになってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その必要は全くありません。銀行の担当者は融資を受けるうえでのパートナーです。
結論からいってしまうと、面接のときには、銀行の担当者が「りん議」を通しやすくなる材料を話せばいいのです。
では、どんなふうに話せばいいのか、銀行員がどんな情報を欲しがっているのか。
銀行員からみた融資を通しやすい会社・経営者の方の特徴3つについて解説していきますね。
注意点
今回の記事は資金調達を必要としている中小企業・個人事業主の方向けに書いてます。
大企業の方や業績がぐんぐん伸びて、銀行から「借りてくれ~」って言われるような企業の方には役に立ちません。
それではいってみましょー!
特徴1:数字で語れる
銀行員から融資を通しやすい経営者の特徴の一つ目は「数字で語れる」です。
借入の面接のときには、経営状況を必ず確認されます。
その際に、「売上は伸びた(落ちた)」、「原価が上がった(下がった)」、「黒字(赤字)だ」という抽象的な表現で返事をしてしまうのはもったいないです。
このようなことは、決算書を見ればわかることですしね・・・(泣)。
売上や原価・経費などの経営状況のことを聞かれたら、結果と原因について、数字を使って説明できたら完璧です!
こういうふうに話すことができれば、それだけで、「ちゃんと数字で経営状況を把握できる社長だな。」と、銀行の担当者からの信頼度はぐっと上がります。
銀行の担当者はお客さまとの面接のあとに、上司への「りん議」を控えています。
融資をするためには、お客さまの経営状況を上司に説明しなければいけません。
その説明の際に、しっかりとした材料がなければ「りん議」を通すことに苦労してしまうので、お客さまから具体的な情報を聞き出したいのです。
そのため、経営状況を数字、かつ具体的に回答してくれる経営者の方は「応援したい(しやすい)」ということになるのです。
中小企業の社長や個人事業主の方は、日々の忙しさからも「肌感覚」「どんぶり勘定」で経営してしまいがちですが、「数字」で判断をする習慣を身に着けておきたいですね。
特徴2:資金の必要性・効果を説明できる
2つ目の特徴は「資金の必要性・効果を説明できる。」です。
面接をしていると、たまにこういったやり取りがあります。
担当者:「今回お申込みいただいた○○万円はなにに使われますか?」
お客様:「運転資金。余裕をもって多めに借入しておきたい。」
この回答も非常にもったいないです。
借入をする以上、「なににいくら使うのか」「なぜ必要なのか」「その効果はなんなのか」を踏まえて回答することが大切です。
例:「今回の設備は、今使ってるものが故障したため、買い替えが必要になった。この新型の設備は値段が高いけど、これまで使ってたものよりも、製造コストが○○万円落とせる。また、生産量も増加するので、これまで対応しきれなかった注文にも対応できるようになり、○○万円の売上増加も見込める。」
こういう回答ができたら最高ですね。
先ほど述べたとおり、銀行の担当者はお客様との面談のあとに、社内で「りん議」を控えてます。
その際に、「なににいくら使うのか」「なぜ必要なのか」「その効果はなんなのか」を上司へ説明する必要があります。
前項と同じように、これらの情報を収集することができれば、融資を通しやすくなるというわけです。
特徴3:自責で考えられる
3つ目の特徴は「自責で考えられる」です。
経営状況が悪化したお客様に悪化した理由を尋ねると、こんなふうに回答されることがあります。
「取引先に仕入値を上げられたから」「近くに大手の競合店ができたから」「従業員が辞めたから」など・・・
原因としては間違いないのでしょうが、この説明振りだと、少し物足りません。
この説明だと、外的要因の説明に留まっており、自社の努力では解決できない問題なのではないかと思います。
すると、銀行の担当者は「将来このお客様は業績を伸ばしていけるのだろうか・・・」「また不測の自体が起きた時にはどうするのだろうか・・・」と慎重になってしまいます。
そう思われないためにも経営状況が悪化した要因を自責で考えたうえで、説明できるようにしておきましょう。
例:「売上が落ちた要因は、キーマンだった営業担当職員が辞めたことが理由の1つ。辞めた社員は女性従業員で、出産を機に、シフトの融通が利かなかったことでやむなく退職してしまった(原因は自社にあると捉えてる)。今後こういったことがないように、従業員全体の能力底上げと、従業員が柔軟な働き方をできるようにシフトの見直しを行っている。」
このような説明だと、「なるほど・・・対策まで考えているし回復に期待できそうだな」という気持ちになります。
災害やコロナウイルスなど、どうしても避けられない事象も時には発生しますが、その事実に「どう向き合っているのか」を銀行の担当者は見ています。
「○○が起きたから一時的に資金が足りない。以前のように戻れば、業績は回復する」というような、他責・楽観思考では融資を受けることは難しいかもしれません。
経営していくうえでは、不測の自体は度々起きると思います。そのリスクにどのように備えているのか、どう対策を取ったのかが大切です。
外的要因は自分ではどうすることもできません。まずは自責で考え、解決策を見つけようとすることが重要です。
その解決策を銀行の担当者に提示をすることで、「この会社は融資を通しやすいな」と思われます。
まとめ
今回は銀行で借入をするためのコツ・銀行担当者からみて融資を通しやすい、経営者の特徴について解説しました。
なんども言いますが、融資受けやすくするためには、銀行の担当者が社内の「りん議」を通しやすくなる材料を話すことが大切です。
無理に説得する、融資を請う、などの姿勢は不要です。
銀行の担当者はあくまで経営者のサポーターです。
社長自身がどんな風に考えているかを、具体的・前向きに伝えることで、応援したいという気持ちが強くなると思います。
銀行で借入を検討している方は、今回解説したことを踏まえて担当者と話をしてみてくださいね。
僕はいつでも経営者の方の味方です!最後まで読んでいただきありがとうございました!